RPGツクールMZ・MVでは、ゲームを発表する形にする為に「デプロイメント」を実行します。
この中の選択肢に「未使用ファイルを除外する」というチェック項目があります。
このチェックをオンにすると、プロジェクトフォルダに入っていて、ゲーム中に使用されていない画像・音楽等のデータが含まれないゲームデータが生成されます。
ゲームの容量を小さくする為に便利です。
しかし「未使用ファイルを除外する」の仕様を理解していないと、効果が半減するだけでなくトラブルの元となります。
目次
デプロイメント後のプロジェクト(サンプルプロジェクト)作成方法
- メニュー:ファイル>デプロイメント…
- 「未使用ファイルを除外する」のチェックをオン
- ウェブブラウザ向けにデプロイメント
※暗号化はオフにしてください。
- デプロイメントされたフォルダ内(MVではwww内)に、元プロジェクト内の
game.rmmzproject (RPGツクールMZ)
Game.rpgproject (RPGツクールMV)
ファイルをコピーする。
これで、デプロイメント後のプロジェクト(サンプルプロジェクト)の完成です。
テストプレイ
サンプルプロジェクトに、作成元のプロジェクトの「save」フォルダをコピーすると、セーブデータも利用してテストが出来ます。
テストプレイしていて、下記のようなエラー(Failed to load)が出たら、ファイルが除外されたということです。
Failed to load
audio/se/Bell1.ogg
この場合「SEのBell1が無い」という意味になります。
解決するには、元のプロジェクトからファイルをコピーしてきます。
未使用ファイルとして除外されない対策
ファイルをコピーしてきただけだと、次に「未使用ファイルを除外」した時に再発してしまいます。
この対策を行います。
ダミーのイベントを作る
ゲーム中に使用しないイベント(コモンイベント)を作り、そこでイベントコマンドで使用します。
この方法はスクリプトやプラグインで使用しているファイルがデフォルトにあるフォルダを使用している場合にのみ使用できます。
独自のフォルダを指定している場合、使用できません。
対策プラグインを入れる
RPGツクールMZ
公式プラグインです。
▼素材をデータベースとして登録、参照(トリアコンタン様作) - MaterialBase.js
plugin-mz.fungamemake.com/archives/222
RPGツクールMZをインストールしたフォルダ内に含まれています。
Steam-Windows版をデフォルトでインストールした場合、下記にあります。
C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\RPG Maker MZ\dlc\BasicResources\plugins\official
RPGツクールMV
▼未使用素材削除ガード(トリアコンタン様作) - ExcludeMaterialGuard.js
plugin.fungamemake.com/archives/1088
(RPGツクールMZでも動作します。公式プラグインが見つけられない人は使ってみるのも良いかも知れません)
エラーが出たファイルを上記のプラグインで指定
各プラグインで、エラーが出たファイルを登録します。
これらで、次に「未使用ファイルを除外」した時に再発を防いでくれます。
次善の策
下記のプラグインを使用することで、配布ゲーム中でファイルがないエラーを無視して、ゲームが継続できなくなるのを防ぐことができます。
RPGツクールMZ
▼ロード失敗エラーのすり抜け(トリアコンタン様作) - ThroughFailedToLoad.js
plugin-mz.fungamemake.com/archives/2979
存在しない画像、音声素材が指定された場合に発生するエラーを無視します。音声の場合は何も再生されず、画像の場合は空の透明画像がセットされます。
RPGツクールMV
▼ロード失敗エラーのすり抜け(トリアコンタン様作) - ThroughFailedToLoad.js
plugin.fungamemake.com/archives/1174
存在しない画像、音声素材が指定された場合に発生するエラーを無視します
RPGツクールMZでも動作しているようです。(テストプレイのみで検証)
未使用ファイルの仕様
未使用でも残るファイル・フォルダ
除外対象となるのは、下記のフォルダ内のみのようです。
- img
- audio
- effects (MZのみ)
上記以外のフォルダやファイルはそのままコピーされます。
ですので、管理用のファイルを置いていたり、未使用のプラグインもそのまま残ります。
未使用ファイルかどうかの判断は下記の条件で行われているようです。
※公式資料が少ないので、ある程度の経験則が入っています。
プロジェクトのデータベースに含まれている
プロジェクトのデータベースに含まれている場合、使用していないアニメーションやアクターが、データベースに残っていると、ファイルが残されます。
プロジェクト内のイベントコマンドで使用されている
SEやBGM等が通常のイベントコマンドで使用されている場合、使用されているファイルと判断されます。
ただし、スクリプトでのみ使用されている場合、未使用ファイルとされます。
対策済みのプラグインで指定されている
プラグイン・プラグインコマンド内で使用しているファイルには注意が必要です。
プラグインパラメーター
アノテーション(@requiredAssets)が設定されているか?が重要です。
tkool.jp/mz/plugin/make/annotation.html
古いプラグイン(RPGツクールMV用に多い)では、この辺りが設定されていないため、原因になりやすいです。
また、有名なMOGシリーズは、この辺りの配慮は無です。
使用ファイルを全て対策プラグインに登録することを勧めます。
プラグインコマンド
RPGツクールMZがVer.1.2.1未満の場合、プラグインコマンドで指定したファイルは未使用ファイル扱いになってしまいます。
RPGツクールMVでは、全てプラグインコマンドで指定したファイルは未使用ファイル扱いになってしまいます。
例外
古い(v1.6.3では起こりません)RPGツクールMVでは、下記ファイルは除外対象になりません。
プロジェクト\img\characters\Vehicle.png
データベースで、乗り物画像をなしにしても残ります。
また、手作業で削除をすると、ゲーム起動時にエラーになります。
容量を削減したい場合、ダミーのファイルを入れておく必要があります。

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