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RPGツクールMV RPGツクールMZ

RPGツクールMZとMVの比較:今はどっちが買い?

筆者の現時点(2021年11月)での結論

とりあえず、RPGツクールMVを買って、色々弄り回してマップに凝りたくなったら、RPGツクールMZを追加で買うべし。
RPGツクールMVで培った技術・データの多くはMZへ移行できる。
現時点では機能を拡張するプラグインはMV用が圧倒的に多いため、結果的にできることがRPGツクールMVの方が多い。

しかし、数年後にはMZにもプラグインが揃って、完全上位ツールになるのも時間の問題かと思います。

簡単な指標

Windowsの人

セール時期の違いでツクールストアSteamとで価格差がない場合、ツクールストアで購入が吉です。
※現在、ツクールストア移行がアナウンスされ、状況確認中です。
ツクールストアで購入すると、Steamキーがついてきて、そちらのバージョンを選択できますが、逆はできません。

  • ツクールが初めての人
    RPGツクールMV
    理由:価格と機能のバランス。情報量。
  • 素材の多さを重視する人
    RPGツクールMV
    理由:現時点で最も素材が多い。
  • マップを書くのが大好きな人・基本機能しか使わない人
    RPGツクールMZ
    理由:MZではマップのレイヤー概念が追加されていて、使いやすい。
  • プログラミングができる人
    RPGツクールMZ
    理由:足りないプラグインは自分で作る。

Macの人

RPGツクールMZ
理由:RPGツクールMVは、macOS BigSur 11.0 (およびそれ以降) のOSの技術的サポートを終了(2021/8/19)
rpgtkool.hatenablog.com/entry/2021/08/19/120004

一応、使用する方法はありますが、あまりお勧めはしません。

macOS BigSurでRPGツクールMVのテストプレイを可能にする方法

Linuxの人

RPGツクールMV
理由:MZはLinuxには非対応です。

比較の前提資料

下記のページでの比較データを元に、色々加えていきます。
zenn.dev/tonbi/articles/14826979109402e27436
※大量に引用する旨も著者に許可取得済みです。

ここではRPGツクールMVデフォルトと比較して、RPGツクールMZに追加された機能を補足する方法を提示します。

単体起動

Steam版でも、Steamクライアントなしで単体で起動できるようになりました。

これは情報が古いです。
発売当初はSteam版もSteamクライアントを起動していなくても、ツクール単体で起動することが出来ました。
しかし、アップデート(v1.1かv1.2系から?)され、MVと同様にSteamクライアントを起動していないと動作しなくなりました。

Steam版RPGツクールMVはSteamクライアントが起動していないと、起動できません。
Mac版はSteam版しかないので、選択肢がありません。

予想ですが、初期の状態がバグであり、Steamで販売しているソフトはSteamクライアントと連動させる必要があるのではないでしょうか?

タイムプログレス戦闘(TPB)

▼NRP Count Time Battle(砂川赳様作) - NRP_CountTimeBattle.js
plugin.fungamemake.com/archives/22872
戦闘システムをCTBへ変更します。

このプラグインを入れれば、ほぼ同じだと思っています。
行動順番を表示できる機能も入れられており、プラグイン作者も活動が活発です。

他の例として下記があります。

▼ATB(うなぎおおとろ様作) - ATB.js
plugin.fungamemake.com/archives/26444
バトルをATBに変更します。

▼MPP アクティブタイムバトル(木星ペンギン様作) - MPP_ActiveTimeBattle.js
plugin.fungamemake.com/archives/2213
戦闘システムをアクティブタイムバトルに変更します。

ツクール史上最大規模の素材集を同梱

これは、見方によっては追いつけないかもしれません。
RPGツクールMV用の追加素材はたくさんありますし、改変素材も多いので、単純比較はできません。

プロジェクトの移行機能

VX、VX-AceからMVへのコンバーターはMVに付属しています。
(Rubyスクリプト)

MVからMZへ移行が簡単ですが、実はマップデータはMZからMVに簡単に移行できます。
(公式機能ではないので、利用にはご注意ください)

タッチ操作用のプレイ環境改善

これは、様々なプラグインを使用することで、近い機能を追加できます。
(ほぼ同じUIを追加するプラグインは出ていません)

画面に表示する仮想ボタンを作る

▼戦闘時にターゲットのタッチ選択(しぐれん様作) - Mano_TouchSelectBattler.js
plugin.fungamemake.com/archives/23564
タッチ操作によるスキルの対象選択を可能にします。

▼MPP 対象タッチ選択(木星ペンギン様作) - MPP_TouchTargetSelect.js
plugin.fungamemake.com/archives/2222
戦闘時のターゲット選択で、キャラクターをタッチして選択できるようにします。

数値入力

数値を入力する際に全角数字を受け付けるようになりました。地味に嬉しい。

MVではここは変化させられず、かつ頻繁に不便に感じる箇所です。

音声がoggファイルに一本化

下記プラグインで実現可能です。
むしろ、MZがこの機能を取り込んだように見えます。

▼oggファイルだけで音声を再生する(くらむぼん様作) - OggOnly.js , stbvorbis.js , stbvorbis_asm.js
plugin.fungamemake.com/archives/14013
oggファイルだけで音声を再生できるようにする

エラー表示

これは…MZで改善と言えるほどの変化ではないと感じています。
MVで下記のプラグインを入れると上位互換になります。

▼エラー画面表示改善(トリアコンタン様作) - CustomizeErrorScreen.js
plugin.fungamemake.com/archives/1042
エラー画面の表示を改善し、固定メッセージと連絡先のハイパーリンクを指定でき、エラーの詳細情報(スタックトレース)も表示されます。

外部ツール対応

別のツールでJSONファイルを書き換えた場合、変更をチェックして再読み込みを促すダイアログが出るようになりました。

逆に言えば、MVではツクールを終了してデータを編集すれば問題ありません。
(そもそもデータを直接編集する人はこの危険性を理解しておくべきです)

削除キー

Mac版で削除キーとしてBSが間違って割り当てられていた箇所が、deleteキーに修正されました。

Windows環境しか使用経験がないので分かりませんが、不便だったでしょうね…

複数起動

Mac版でツクール本体を複数起動できるようになりました。

WindowsはMVでも複数起動できます。
(Macでできないのを知らなかった…)

プロジェクトファイルの正常化

Mac版でプロジェクトファイル(game.rmmzproject)のダブルクリックで開けるようになりました。

WindowsはMVでも起動できます。
(Macでできないのを知らなかった…)

編集状態の記憶の強化

割と多くのウィンドウで、前に編集していたタブなどの編集状態を記憶するようになりました。
ただし、まだ抜けはあります。

正直、実感するほどツクールらしい作業をしていないせいか、よく分かりません…

開発会社の変更

MVの権利表記は、©KADOKAWA でしたが、MZは ©Gotcha Gotcha Games Inc. /YOJI OJIMA 2020 になっています。

MVのバージョンが上がって、v1.6.3になりましたが、起動画面などはKADOKAWAのままですね。
ウェブサイトには ©Gotcha Gotcha Games Inc./YOJI OJIMA 2015 となっているので、画像などの差し替えが終わっていないのでしょう。
tkool.jp/mv/

WebGL描画に一本化

RPGツクールMVの公式プラグイン
Community_Basic.js
で指定できます。

コアスクリプト

技術者だけ気にしてください。

タイトル

これは特に新機能とかではないんですが、タイトルで演奏されるデフォルト音楽がMVほどうるさくありません。

気にします(笑)
初作品をアップする前に、曲・音量は考えましょう。
あと、決定音のデフォルトが静かめな音なのもMZの良いところだと思います。
MVでは、Decision1になっていますが、せめてDecision2に変更しましょう。
(試されているのでは?と思うくらい…)

デベロッパーツール

これは、最新版のMVでも大差ありません。
コピペもできます。

システム素材の扱い

img/System/States.pngやWeapons1.pngを削除しても、サイドビューを使ってなかったらエラーになりません。MVではエラーになっていました。
ただし、[未使用ファイルを除外する]の対象ではないので、手動で削除する必要があります。

これはMVでは、どうにもなりません。
デプロイメントしたあとに、要らない画像をサイズの小さいダミーに差し替えるくらいしか手はありません。

マップエディタ

圧倒的にMZで進化しています。
比較しちゃダメ。

コアスクリプトの更新

MZでは作業をしているプロジェクトのコアスクリプトを更新したり、戻したりがメニューからできます。
コアスクリプトが破損したときも、ここから直せます。
MVだと手作業で代替可能です。

キャラクター生成

MZでは仰向けと顔伏せ状態が増えていて、さらに顔グラのパーツの位置調整が可能になっています。

顔グラのパーツ位置調整は下記のサイトで配布しているソフト(Windows用)で代用可能です。
schlangan.free.fr/mvxgen.html

また、MZでは素体と呼ばれるベース画像が変わってしまったため、MV用に配布・販売されている素材を流用するのは困難です。
MZ素体に合ったキャラクター生成素材は、まだ数が少なくMVには及びません。

アクター:武器

[特徴]-[攻撃]に[攻撃スキル]が追加されました。

公式プラグインの WeaponSkill.js で代用可能です。

[スキル][アイテム]
[基本設定]-[範囲]
[味方単体(無条件)][敵と味方全体][味方全体(無条件)] が選択できるようになりました。
[使用効果]に[その他]-[コモンイベント]を複数設定した場合、上から下にすべて実行されます。

下記プラグインで代用可能です。

▼Dead Or Alive Item(神無月サスケ様作) - DeadOrAliveItem.js
plugin.fungamemake.com/archives/2639
戦闘不能かどうかに関係なく、仲間に使える技/アイテムを作成

▼HIME Common Event Queue プラグイン Ver1.0
複数のコモンイベントを予約できるプラグイン
fungamemake.com/archives/9560

イベントコマンド

[文章の表示]
名前専用ウィンドウができました。

下記プラグインで代用可能です。

▼Dark Plasma Name Window(DarkPlasma様作) - DarkPlasma_NameWindow.js
plugin.fungamemake.com/archives/23615
メッセージウィンドウに名前ウィンドウを付属させます。

[ピクチャの移動]
[イージング]が追加され、[タイプ]で[一定速度][ゆっくり始まる][ゆっくり終わる][ゆっくり始まって終わる]が選択できるようになりました。

下記プラグインで代用可能です。
▼SAN イージングピクチャ(サンシロ様作) - SAN_EasingPicture.js
plugin.fungamemake.com/archives/1610
ピクチャ毎のモーション毎にイージングを設定します。イージングとはアニメーションの進み具合を滑らかに制御し、動きをよりリアルに見せる手法です。

その他

いくつかコマンドに機能が追加されましたが、その大半がスクリプトで代用可能です。

トリアコンタン氏作のスクリプトリファレンスが大変参考になります。

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