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書籍レビュー

「ゲームデザイン脳 ―桝田省治の発想とワザ―」感想 4/11

「神経衰弱とババヌキの比較、藤子不二雄作品」の部より

すでに人気が不動である作品あるいは商品を分解し、その構成部品の並べ方の順番や重みづけを少し変えるだけで、目新しい企画なんぞいくらでもできる。
子供のころに何度か遊んだことがあるだろう、トランプに神経衰弱とババヌキというメジャーなゲームがある。
「この2つのゲームは、同じものだ」…といきなり書いてもほとんどの人は、ピンとこないだろう。
ようするに神経衰弱とババヌキは、「共通の場→各人の札」「各人の札→共通の場」と始まりと終りのカードの状態が入れ替わっているだけで、状態変化の条件を含めて同じ部品で構成されているわけだ。
にもかかわらず、この2つのゲームを誰も同じだと思わない。
なぜなら、神経衰弱は主に記憶力を競うゲームだし、ババヌキはプレイヤー間のコミュニケーションを楽しむものだ。
面白さの質が違う。
神経衰弱は、子供が大人に実力で勝てる数少ないゲームとしておそらく100年たっても需要がある。
ババヌキにたった1枚加えられたジョーカーの動きが、ピンチとチャンス、ゲームの趨勢を目に見えるものにしている。
これは神経衰弱にはない画期的な工夫だ。
すでに評価が定まった優良コンテンツを分解し再構成すれば、新しい企画は組み合わせの数だけいくらでもできる。
ただし、それを別物として成立させるには、ババヌキのジョーカーのごときオリジナリティが1つは必要。
とはいえ、53枚の1枚の違いで十分なのだから、ゼロから考えるよりは簡単だろう。

これも非常に共感を得た箇所です。
ゲームに限らず、多くのジャンルは共通点もありながら、ほんの少しの差でまったく違うものが成り立っているものは多いです。
身近な例は団体スポーツのルールの多くが当てはまります。
しかし、全く違うスポーツとして成り立っていますし、ファンも別々にいます。
そして裏を返せば、未完成なジャンルほど他ジャンルからアイディアを引き出しやすいということが言えると思います。
ガチャ戦記ではJRPG定番の「ストーリーを進めていくと、徐々に強い武具が購入できる」をガチャに置き換えたらどうなるかな?というところが発想のスタートでした。
雑魚と戦うレベル上げも、戦う度にガチャが引けるなら、積極的に戦いたくなるんじゃないか?と思いついたところで、制作開始を決めました。
自分はJRPGでドロップアイテムが滅多に手に入らないのが、何となく不満に思っていたのもあり、じゃんじゃんドロップさせてしまえ!と振り切ったという感じでした。

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